中国地方には,高原状のなだらかな中国山地が東西にのび,日本海側に鳥取平野と出雲平野,瀬戸内海側に岡山平野と広島平野があるが,いずれも規模が小さい。鳥取平野の沿岸部には日本で最も大きい鳥取砂丘が発達している。 島根県にある宍道湖と中海は面積が全国の上位に入り,いずれも汽水湖である。また,島根県の沖には隠岐諸島があり,さらにその沖にある竹島は日本と韓国の間で領有問題が起こっている。 岡山県の児島湾はかつて現在よりも広い湾であったが,干拓が行われて小さくなった。瀬戸内海には小さな島が数多くあり,これらの島を利用して本州四国連絡橋(瀬戸大橋,しまなみ海道)がかけられた。 山口県にはカルスト地形の秋吉台が広がり,表面に石灰岩の柱,地下に鍾乳洞がのびている。また,山口県は関門橋と関門トンネルで九州と結ばれている。
中国地方の日本海側を山陰,瀬戸内海側を山陽という。山陰は日本海側の気候に区分されるが雪は北陸ほど多くなく,沖合を暖流の対馬海流が流れるため,比較的温暖な気候である。 山陽は一年を通して降水量の少ない瀬戸内の気候に区分される。これは,夏は南東の季節風が四国山地に,冬は北西の季節風が中国山地にぶつかり,季節風の影響による雨が降りにくい地形になっているためである。