東北地方は日本を代表する穀倉地帯で,全国の米の生産量の4分の1以上をしめる。稲作はおもに川ぞいの平地で行われ,「あきたこまち」「ひとめぼれ」など銘柄米がつくられている。また,青森県でリンゴ,山形県でおうとう(さくらんぼ),福島県でももやぶどうなど,果物栽培もさかんである。 北上高地や奥羽山脈の山麓では肉牛の飼育や酪農がさかんに行われている。
三陸海岸はリアス海岸が天然の良港となり,沖合が寒流と暖流がぶつかるよい漁場となっているため,漁業がさかんで,宮古(岩手県)・気仙沼・石巻(宮城県)などの漁港にめぐまれている。また,波が静かな湾内で,わかめやかきなどの養殖もさかんに行われている。
東北地方には,江戸時代から発達した伝統工業が多く,現在もさまざまな伝統的工芸品がつくられている。近代に入り,岩手県釜石市で鉄鋼業,秋田県の銅精錬業などが発達した。近年は空港や高速道路などの整備とともに内陸部にIC(集積回路)工場などが多く進出している。